自分に都合のいい情報が集まる、ネットの「確証バイアス」問題

インターネットはあなたの欲しい情報を提供してくれます。 Googleなどの検索エンジンに知りたいことをちょいと入力すれば、地球の裏側の情報を見ることだってできるのです。

しかしその情報が正しいのか、客観的なのかは怪しい部分があります。 ネットがくれるのは正しい情報ではなく、あなたが欲しい情報なのですから・・・

ネット社会にありがちな確証バイアス問題

インターネットはあなたに様々な情報をもたらしてくれます。 総数10億サイト1兆ページ以上の情報群は、世界中の誰よりも多くの知識を有していると言えます。

しかしその内容は玉石混交で、必ずしも精度の高い情報とは言えません。 また1兆ページの情報のどこに何があるのか、正確に把握するのは不可能です。

そんな時に役に立つのが検索エンジンです。 あなたの知りたい情報を検索すると、膨大なウェブページの中から欲しい情報を探して表示してくれます。

しかしこの情報が正しく客観性のあるものかと言えばそうでもありません。 検索エンジンは「あなたの欲しい情報」を提示しているに過ぎないのですから。

物事に単純に良い悪いで断ずることができるものは多くありません。 自明のものでもない限りは、メリット・デメリットの両面を持ちます。 ネットに散らばる情報も様々ですが、しかしネットはあなたの欲する情報を提示しやすい性質を持っています。

例えば酒好きの夫と酒嫌いの妻がおり、互いにお酒のことについて検索するとします。 お酒が好きな夫は「お酒 付き合い」「お酒 メリット」「お酒 健康」など、お酒を肯定するポジティブなワードを並べがちです。 逆に妻は「お酒 無駄」「お酒 デメリット」「お酒 病気」などのネガティブなワードを並べて検索するでしょう。 同じお酒のことを調べたはずなのに、お酒に関する認識は違う方向に深まっていきます。不思議ですね。

夫はお酒をポジティブなものに捉えているので、なぜ妻がお酒を嫌うのか分かりません。 そして妻はお酒をネガティブなものに捉えているので、なぜ夫がお酒を好くのか分かりません。 そして互いの認識がずれ、不和の元になったりするのです。

こういった自分に都合のいい情報を結論ありきで集めて自分の論を補強することを「確証バイアス」と言います。 特にネットは自分で都合の良い情報を集めようという意識がなくとも都合の良い情報を探して提示してくれるので、この状況にとても陥りやすいです。

また自分が欲していない情報は探しにくい上に見つかりにくいのも問題です。 検索しなければ出てこないし、検索しようにもどんなワードで検索すればいいのか分かりません。

さらに検索エンジンは普段のあなたの行動を分析して、あなたの欲するサイトを検索上位に持ってきます。 またリンクなどをしている場合、リンク先の情報も似たようなものである場合が多いです。 こうやって普通にネットをしているだけであなたの取得する情報が偏たっていき、それに従ってあなたの認識も偏たっていくのです。

自分の思っていることに賛同するページが多く、否定するページが少ない。 たとえ反対意見の方が多くても見えないので、ないも同然です。 だから「自分の認識は正しいものだ」といつの間にか考えてしまいます。

まあこういうのはネットに限りったことではありませんけどね。 普段の付き合いや友人、購読している雑誌や新聞、所属しているコミュニティなど、何にしてもこういった問題は起こります。 ただネットはそういった状況に陥りやすく気付きにくい場所ということです。

認識が全く歪んでいない人は存在しないかもしれませんが程度の問題はあります。 常識から外れるほど周囲との摩擦が大きくなり、厄介な問題を引き起こしがちです。 常識に必ずしも従う必要はありませんが、常識を知らないのはとても危険なことです。

なるべく色々な人との交流を持ち、自分の認識を常に刷新していきましょう。 多くの人との触れ合いを通してこそ、自分が洗練されていくのですから。

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