「最近の若者は…」今の若者が未熟に見えるのは年長者の錯覚

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年長者が若者を見ると、自分たちが若者だった時に比べて未熟に見えるようです。 それが「最近の若者は・・・」なんて常套句の批判に繋がったりします。

このセリフ古代から言われていたそうで、いつの時代の大人も割と言っていたようです。 ならば若者の水準は古代から下がりっぱなしなのかと言えばそんな訳ないですね。つまりは年長者側の錯覚なのです。

若者と年長者の間にある2つのギャップ

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若者と美化された過去の年長者とのギャップ

仕事の詳細なやり取りというのは一般的には残り難いものだと思いますが、IT業界においては資料やプログラムなどの成果物として残ります。 過去担当した案件に関連した仕事が回ってくることも多く、ある意味で若者時代の自分と対話する機会が多い業界であると言えます。

そんなIT業界で時々痛感するのが、過去の自分の未熟さです。 当時はそれなりに自信を持って書き上げたはずの仕事ですが、数年後に見みると「うわ、なんじゃこりゃ」と思わされる部分がゴロゴロ出てきます。 無意味な工程、バグりそうなモジュール、読みにくいコードなどなど、あの時自信満々だったのは何だったんだってなもんです。

自分の仕事だから笑えませんが、もしこれが後輩の仕事だったら「最近の若者は・・・」なんて言葉が出るのかもなと思うことがあります。 虫の居所が悪ければ「こんなこと少し考えれば分かるだろ!」とか「基本的なことが出来てないからこうなるんだよ!」なんて台詞も出たかもしれません。

しかしこれ証拠として詳細に残っているから自省できますが、そうではない仕事なら喉元で止まらないんじゃないでしょうか。 例えば営業であれば過去の仕事の詳細を見返すなんて機会はあまりないと思います。 「最近の若者は・・・」と営業に愚痴を聞かされることがありますが、「おいおいお前も昔先輩に同じこと言われてたよ」と心の中で思ったりします。

つまり若者時代には自身の欠点を欠点として認識できず、成長とともに欠点を認識する力は付いても過去の自分の欠点には気付かないままで、美化された過去の自分と現在の若者とのギャップになってしまうという訳です。 過去の自分をマジマジと見せつけられたら、やっぱり欠点だらけのクソガキに見えるのではないでしょうか。

若者と年長者の間の価値観のギャップ

人の価値観とは時代や環境の変遷と共に移り変わっていくものです。 原始時代にはイノシシを狩る能力こそが人の価値だったかもしれませんが、今はそうではありません。

現代言われる若者批判と言えば「最近の若者はスマホばかりしている」というものがあります。 しかしメディア・電話・メール・手紙・読書・音楽・ゲーム・各種ツール・その他諸々がスマホに集約されたんですからスマホばかりになるのは当たり前ですよね。 逆に数十年前の若者と同じ行動をしていたら、時代錯誤の変わり者になってしまいます。

これは周辺環境や価値観の変化を認識できていない大人の発言であると言えます。 自分が若者だった時の環境や価値観なんてとっくに時代遅れになっていることを肝に銘じなければなりません。

そもそも若者を育成するのは大人であるはずです。 若者は大人の下に生まれ、大人から教育を受け、大人の作った環境の下で育ちます。 本当に最近の若者がなっていなかったのだとしたら、それは大人の怠慢の結果なのです。

「火垂るの墓」に見る若者と大人の目線の違い

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皆さんは「火垂るの墓」という小説をご存知でしょうか? 戦時下の兄妹の悲劇的な話を描いたフィクションで、スタジオジブリによって映画化もされています。 教科書に載っていたり夏休みにテレビで放映されたりするので、一度くらい目にしたことがあるのではないでしょうか。

この話、見た時の年齢で印象がガラッと変わることで有名です。 兄妹が主人公の話なのですが子ども時代に読むと「周囲の大人が意地悪すぎる」と感じ、大人になってから読むと「兄妹がワガママすぎる」と感じるのです。 これは話を「子ども理論」で見るか「大人理論」で見るかの目線の差であると言えます。

この話を掘り下げるのは本筋ではないので話を戻しますが、この子ども理論と大人理論のメカニズム見覚えがありますよね。そうです「最近の若者は・・・」です。

人は未熟な時分には自分の欠点やワガママが見えず、それを当然のこととして認識します。 成長するに従ってそれを欠点と見るようになりますが、過去の自分がそうだったとは認識できません。 そして成長してから過去の自分と同じような子どもを見ると「何てクソガキだ!私が小さい頃はこんなではなかった。まったく最近の若者は・・・」となる訳です。

だから「最近の若者は」というセリフには、大いなる錯覚が働いているのです。 もちろん中には標準から抜けて優秀だったりクソガキだったりするのもいるでしょうが、慣らしてみれば大した違いはありません。 また一見して奇抜な行動を取る若者が増えても、それは単に環境・文化・価値観が変遷しただけだったりします。

若者が「最近の若者は」なんて言われたら、もっと上の年長者に言ったソイツはどうだったのか確認してみるといいかもしれませんね。 むしろあなたの方が優秀だと言われるかもしれませんよ。

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