ハチはメスしか刺さないが、ほとんどがメスだから大抵刺してくる

hornet

先日親戚の子に「ハチが刺してくるのはメスだけなんだ!だから半分のハチは刺してこないんだよ!」と教えられました。 訂正しようか迷いましたが、大人の判断で「おお、よく知ってるな!こりゃ将来は昆虫博士かな!」と言ってご機嫌を取っておくことにしました。

しかしこれ、前半部は正しいんですが、後半部は間違ってるんですよね。
哺乳類を基準に考えるとオスメスは大体半々と思いがちですが、ハチはほとんどがメスだから皆刺してくるんですよ・・・

ハチの針は産卵管が変化したもの

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ハチの針は産卵管または産卵管が変化したものです。なのでオスのハチには針がなく刺すことはできません。 しかし巣を作って集団で生活するハチにはオスはほとんどいません。

ハチは役割分担がはっきりしている生物です。 ハチは大まかに分けて「女王蜂」「働き蜂」「オス蜂」の3種のハチがいます。

女王蜂も働き蜂も幼虫の時点では同じですが、女王蜂になるものには「ローヤルゼリー」という栄養価が高いエサが与えられ、それを食べて育つことで女王蜂になります。 一つの巣の中に何千匹といるハチの中で、女王蜂は1匹しかいません。もし新たな女王蜂を生んだ場合、新たな女王蜂に巣を譲って旧女王は出ていきます。いわゆる分蜂という奴です。

女王蜂の役目はほとんどが産卵です。まあ最初は巣作りとか子育てとかありますが、成熟するとその辺りの役目はみんな働き蜂に任せてひたすら産卵を続けます。 そして女王蜂以外は産卵をしません。

子を産むのが女王蜂だけで1匹しかいないということは、交尾するオスのハチはほんの数匹いれば十分です。 実際の所は寿命が短いためスペア的な存在としてそれなりに数はいますが、働き蜂の1/10もいません。

オス蜂は女王蜂と交尾するためだけに生まれた存在です。 働き蜂のように巣から出てエサを探すなんてことはせず、基本巣の中で食っちゃ寝しています。ヒモみたいなものですね。 そして繁殖期に女王バチと交尾すると死にます。また交尾せずに生き延びても、役立たずとして巣から叩き出されます。やっぱりヒモみたいですね。

そして働き蜂は全部メスです。産卵をしないなら性別なんて必要ないじゃないかって疑問もあるかと思います。 しかし産卵管を利用して刺す機能を作ったり、女王蜂が怪我や病気でダメになった時に働き蜂の幼虫をあらたに女王蜂としたりと、無性よりメスの方が都合がいいのでしょう。

普段我々が見かけるのは巣から出てエサを探しに来ている働きバチなので、我々の周りにいるハチはほぼ全てが刺してくるメスのハチという訳です。 ハチを見かけたら「あれがメスだったら刺されるかもな」ではなく「あれはメスだから刺される」が正しいです。

ちなみに女王蜂も刺すことはできますが、基本的に戦おうとはしないようです。 産卵が役割なのに、産卵管を武器に使うというのはとてもリスクの高い行為ですからね。

ハチは針を刺すと死ぬ?

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「ハチは一回刺すと死んでしまう」なんて言われますが、これはミツバチに限った話でハチ全体の習性ではありません。

ミツバチの針には「返し」のようなものが付いていて、刺すと簡単には抜けなくなっています。 刺した相手の皮膚が柔らかい動物であれば相手の皮膚を破るだけ死にません。 しかし人のような固い皮膚を持つ相手を刺してしまうとミツバチの皮膚が負けて、お腹ごと破れてしまい死んでしまいます。

しかし他のハチには返しが付いていないので刺したい放題です。ミツバチは例外的な存在だといえるでしょう。

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