三種の神器は実在し、天皇が代々継承している

sansyuno jingi

「三種の神器」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 「テレビ・冷蔵庫・洗濯機」ではなく、「剣・勾玉・鏡」の3点セットの方です。

この3種の神器はゲームや漫画などでよく出てくる伝説上の存在みたいなものなのですが、実は「実在している」と「されています」。 代々天皇が継承している・・・ことになっているのですが、真偽のほどはさて。

神話の中の日本

kusanagino tsurugi

昔々のそのまた昔、高天原(たかまがはら)という神々が住まう場所があり、そこにアマテラスオオミカミという神がいました。 アマテラスは太陽の化身であり、岩戸に籠ると世界が真っ暗になったりする文字通りの神様です。天岩戸に引きこもった神話は有名ですよね。

この天照大御神、孫であるニニギノミコトに神の国である高天原から降りて葦原中国(=日本)を治めるよう命じます。これがいわゆる天孫降臨です。 その際に授けられたのが「草薙剣(くさなぎのけん)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」「八咫鏡(やたのかがみ)」の三種の神器です。 ちなみに草薙剣はヤマタノオロチを退治した時に尻尾から出てきたもの、八尺瓊勾玉と八咫鏡は天岩戸に引きこもった天照大御神を引きずり出す小道具として作ったものです。

地上に降り立ったニニギノミコトは日本を治め、子・ホオリノミコト、孫・ウガヤフキアエズノミコト親子3代の治世は179万2477年ほど続きました。 しかしそれだけ治世が続いても未だ西の一部を支配しているに過ぎず、ひ孫・カンヤマトイワレヒコノスメラミコトは東夷を決意します。 今風に言えば九州の権力者が近畿を制圧すべく進軍しました。

色々あってカンヤマトイワレヒコノスメラミコトは近畿を支配下とし「神武天皇」として即位しました。 神武天皇は初代天皇であり即位したのは紀元前660年のこととされています。ちなみに平成の今上天皇は第125代です。

これらの話のソースは古事記と日本書紀です。 ここまでの話で薄々感じたと思いますが、この2冊は歴史書ではありますが真に受けて良い内容ではありません。 編纂した目的も天皇支配の正当性を世に知らしめるためであり、神話じみていたり不明点や矛盾も多く改竄の疑いも強いです。

そもそも日本最古の書物である古事記が編纂されたのは712年(紀元後)で、神武天皇の即位から1000年後、天孫降臨から180万年後です。たとえ史書として作ろうとしたのであっても、こんな昔のことを正確に記述なんてできませんからね。だから6世紀以前の日本は謎に包まれており、天皇も26代より前は実在したかは未確定とされています。

帝の証として受け継がれる三種の神器

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かつて天孫降臨の際にアマテラスからにニニギに授けられた三種の神器は、代々皇室の正当たる帝の証とされました。 皇位継承の際に三種の神器も代々の天皇に受け継がれています。(※神器なしで皇位継承されたこともあります。)

さてこの3種の神器、少なくとも1000年以上~2700年前には存在していたことになります。 権力の象徴とされた三種の神器がよくもまあ現代まで無事に残ったものだと思うかもしれませんが、実は無事ではありません。

よく言われるのは安徳天皇時代の話ですかね。平家が源氏に追い立てられ壇ノ浦の戦いにて敗退した際、平家に奉じられていた安徳天皇は神器と共に入水しました。後に勾玉と鏡は回収されましたが、剣はそのまま失われたとされています。他にも偽物が作られたり事故にあったりと長い歴史の中で色々あったようです。

そんな神器で大丈夫なのかと言えば、神器には「形代」という本物相当のレプリカ制度があります。 崇神天皇(564~631)の時代に剣と鏡は宮廷の外で奉ることになったため、宮廷にはその分身である形代を置いておくことになったんですね。皇位継承の正当たる証とされているのも、勾玉は実物ですが剣と鏡は形代なのです。だから安徳天皇と共になくなった剣も形代であり、後に別の剣を新たな形代として神器にしています。

また鏡は形代ではない実物の方が火災で焼失し、いくばくかの灰を残すのみとなっているそうです。 しかし儀式に使うのは形代なので、本体が灰でも何とかなるのです。

現在3種の神器の保管場所は以下のようになっています。

区分神器場所
実物草薙剣熱田神宮
八尺瓊勾玉皇居・剣璽の間
八咫鏡伊勢神宮
形代草薙剣皇居・剣璽の間
八咫鏡皇居・宮中三殿の賢所

三種の神器のうち剣と勾玉の2つを剣璽と呼び、「剣璽は陛下とともにあるのが大原則」とされていました。 戦前は天皇が一日以上皇居を離れる際には、侍従が剣と勾玉を携えて同行(剣璽ご動座)していたほどです。 なお現在は警備上の理由で神宮参拝の時にのみ剣と勾玉を携えて移動しています。

剣璽は箱の中に入れられており、何人たりとも中を見ることは許されていません。 実物にしろ形代にしろ一般人はもちろん天皇すら見ることはできず、誰がどう管理しているのか、そもそも箱の中に神器が実在するのかすらよく分かっていません。そんな事情もあってか存在そのものを否定する声もあります。

しかし誰も見たことのない神器を見ても本物か分からない以上、何を以って「実在している」と言えるのかは中々難しい問題です。 三種の神器はあくまでも天皇の権威の象徴というだけで、本物かどうかは些細な問題なのかもしれません。

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