柔道でもっとも高段位の帯は、黒帯ではなく紅帯

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柔道は恐らく日本で最も人口の多い格闘技です。 授業でやる学校が沢山ありますし、オリンピック種目にもなっていますね。

その柔道の強さの象徴として「黒帯」という言葉を使いますが、実は柔道で最も高段位の人に与えられるのは黒帯ではないことはご存知でしたか?

柔道の段位と帯の色

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柔道の帯の色は段位によって決まります。その内訳は以下のようになっています。

段位帯の色
四級以下白帯
三級~一級茶帯
初段~五段黒帯
六段~八段紅白帯
九段~十段紅帯

この通り黒帯の上にはまだ2つも違う帯があるのです。 黒帯の初段と紅帯では言葉通り「段違い」です。 それなのになぜ黒帯が強さの象徴のように言われるようになったのでしょう?

学園ドラマの舞台が学校だから?

よく漫画や学園ドラマなどで「○○はなぁ、柔道黒帯なんだぞ!」的な強さの表現があります。 しかし黒帯の上にはまだ2つ帯があります。なぜこれで威張れるのでしょうか。

人や県にもよりますが、中学・高校で柔道を始めて無難に3年間続けると、大体が柔道一段つまり黒帯になります。 黒帯はそれなりに凄い事ではありますが、真面目に柔道部で活動していれば難易度はそこまで高くありません。

しかし子どもの頃からずっと柔道を続けているような人でも、高校卒業までに取れるのはせいぜい3段です。 オリンピック選手だって多くは4段、5段で黒帯です。

そして5段の昇段試験を受けられるのは満20歳以上で、そこから上は「修行年限」も長くなります。 修行年限とは大会の成績などで「秀」「優」「良」「可」に分け、次の段を受けるまでにそれぞれに定める修行期間のことです。 成績が優秀であれば修業期間は短く、平凡だと長くなります。

しかし優秀な成績を納めてなお、黒帯の上である紅白帯・6段の受験資格を得られる最小年齢はおよそ27歳です。 最高の帯である紅帯にいたっては昇段資格すら明確に定められておらず、その手前の8段になれる最小年齢も42歳と高齢です。

段位修行年限(秀)修行年限(可)
5段1年半6年
6段5年12年
7段6年15年
8段9年18年

つまり「柔道黒帯」を強さの指標として使う漫画や学園ドラマにおいては、年齢的に黒帯より上になれるはずがなく、黒帯こそが最高の強さの証なのです。 そこから「柔道黒帯」という言葉が一人歩きして、一番強い色のように言われるようになったのではないでしょうか。

強い=段位が高いという訳でもない

紅白帯はどんなに早くても30近く、紅帯になった頃には50がすぐそこです。 紅帯になったころには強さの全盛期はとうに過ぎてしまっています。

また6段以上になるには強さだけでなく、柔道界への貢献や普及・発展に尽くした功績が必要です。 現役選手が6段以上になることはまずなく、単純に強ければなれるという訳ではないんですね。

一番強いのは案外、若さとエネルギーに満ちた黒帯なのかもしれません。 そうすると黒帯を強さの象徴とするのはあながち間違いではないのかも・・・?

ちなみに・・・

江戸時代には帯は胴着を締めるためのものでしかなく、色の違いはありませんでした。 1882年に講道館柔道を創設した嘉納治五郎が秀でた門下生に黒帯を巻かせたのが始まりと言われています。

他にも昔は帯を洗う習慣がなく、年月が経つほど黒ずんでいき、これが黒帯の始まりとなったとも言われています。 白帯→茶帯→黒帯の流れは、洗わなかった帯の色が変わっていく様を表しているとかなんとか。 この仕組みですと汗っかきは昇段が早そうですね。

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