IPアドレスやホストで身元が判明する?

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ネットをしていると、チャットや掲示板でホストやIPアドレスを表示している所があります。 IPなんてただの数字の羅列ですが、ワザワザ表示している所を見ると何か意味がありそうですよね。

IPから住所や名前が分かるなんて話も聞きますが、何のために表示しているのでしょうか? 少し整理してみましょう。

IPアドレスとホスト

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我々がインターネットに接続する際に「グローバルIPアドレス」という端末を一意に認識する数字が割り振られます。 これがいわゆる「IPアドレス」であり、インターネット上の住所を表しています。

例えばアドレスバーに「216.58.221.3」と打ち込むとGoogleのページに遷移します。 普段は「http://~」とURLを打ってページを移動していると思いますが、IPアドレスを直接打ち込んで移動することもできます。 Googleなどの一部企業などはグローバルIPアドレスを所有しており、そこをネット上の住所としているのです。

しかし個人の場合はグローバルIPアドレスを所有している人はほとんどいません。 一般的にはプロバイダと契約し、プロバイダが所有するグローバルIPアドレスを借りてネットに接続します。

プロバイダが所有するIPアドレスはプロバイダごとに範囲が決まっており、IPアドレスからプロバイダを逆引きすることができます。 これが「ホスト」です。

ちなみにあなたが現在このページを閲覧している端末のIPアドレスとホスト名は以下の通りです。

あなたのIPアドレス:54.156.92.46
あなたのホスト名:ec2-54-156-92-46.compute-1.amazonaws.com

上記のIPアドレスをアドレスバーに打ち込むと、あなたにIPアドレスを割り振っている機器に接続することができます。 私の場合はネットワークルータですが、端末や契約によっては接続できないかもしれません。

我々が普段ネットでサイトを閲覧する際には、サイト側は接続者のIPアドレスなどの情報を得ることができます。 サイトの設定次第ではそれらをログとして残したり、サイト上に表示することも可能です。 またルータなどのネットワーク機器にもIPアドレスを始めとした接続情報が残っています。

あまり意識がないかもしれませんが、普段から我々はネット上でIPアドレスを晒しながら行動しているのです。 それでは次はそれによってどんな事が起きるのかをお話ししましょう。

IPアドレスから住所や氏名を割り出せる?

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IPアドレスがサイト上に表示されるととても不安になりますね。 悪質な詐欺サイトなどでは「購入を確認しました!お金振り込んでください!あなたのIPアドレス~」なんて表示されて、それで実際にお金を振り込む人もいるぐらいです。IPアドレスを知られるとどんな危険があるのでしょうか?

まずIPアドレスが分かった場合、ホストが分かります。ホストアドレスには地域の情報が含まれている場合があり、それで住所の範囲を市町村程度まで絞ることができる可能性はあります。

例えば東京でプロバイダをOCNと契約している場合、ホスト名が「*.tokyo.ocn.ne.jp」と表示され「ああこの人は東京に住んでいてOCNと契約してるんだ」ぐらいのことは分かります。でもそれで終わりです。

それ以上の情報が知りたい場合はプロバイダの持つログや個人情報と照らし合わせなければなりませんが、通常は個人でプロバイダの内部情報を請求はできません。 真っ当にネットを利用している人の個人情報をIPアドレスから引くことはできないのです。

しかし警察が犯罪の調査で動いていた場合などはプロバイダの持つ情報を捜査機関に渡しますので、IPアドレスから住所や氏名まで分かってしまいます。 また個人でも権利侵害や誹謗中傷などがされた場合はプロバイダ責任制限法に則って発信者情報を請求することも可能です。

匿名性の高いネットとはいえ、あまり傍若無人に振る舞うと個人が特定される可能性はあります。 逆にそういった事をしていなければIPアドレスを知られても大したことはありません。

サイトにIPアドレスを表示するのは何のため?

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SNSやサイトのコメント欄などに書き込んだ際、ホストやIPアドレスを表示させることがあります。 IPアドレスを知っても大したことはできないのに、なぜこんなものを表示していると思いますか?

主な目的は自作自演や荒らし行為に対する牽制です。 例えば記事に100件のコメントが付きそのほとんどが否定的なものだった場合、記事に問題がある印象を受けます。 しかし否定的なコメントが全て単一のIPアドレスが(要は一人が)付けていたとしたら、記事よりコメントを書き込んでいる人の方に問題があることが分かります。

またサービスによっては運営者が荒らしと見なした人間をサービスに接続できなくしたり、ユーザー側が面倒な人間をブロックする機能があります。そういった機能の対象選定にIPやホストが使われることがあります。

IPアドレスでの規制が理想ですが、IPアドレスは端末やプロバイダなどによってはすぐ変わる・変えることができるので、効果がなければ範囲を広げてホストで規制します。しかしホストでの規制はその人のみならず同じホストアドレスを持つ人全てが規制されます。例えば「*.tokyo.ocn.ne.jp」を規制すると、東京に住んでいるOCNと契約している人全てが規制対象となってしまいます。これがいわゆる「巻き添え」です。

後は脅し的な意味合いもあるでしょうか。 IPアドレスがどのようなものであるかを正しく理解していないと恐怖はあるでしょうし、またIPを表示されてもリスクは殆どないといっても、完全にノーリスクかと言われると断言しかねる部分もあります。

本名登録が必要なサイトを利用する場合、情報が洩れてIPアドレスと名前が紐づけられ、それを元に様々なサイトの閲覧・利用をしていたIPアドレスの利用者が身バレしてしまうなんて可能性もない訳ではありません。サイト同士に横の繋がりがあれば、ブラックリストを共有することもあるでしょう。

ネットは膨大なデータの積み重ねであり、何気ない日々の言動が個人特定に繋がるケースもあります。 いくら匿名性が高いネットとはいえ、節度を持って行動した方がいいことは間違いないでしょう。

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