「ハッカー」と「クラッカー」の違い

「ハッカー」と聞いて具体的にどのような人を指す言葉なのか分かる人はそれほど多くありません。 「コンピュータ技術に長けていて、それを悪用している人」のようなイメージをよく聞きますが、それはハッカーの一側面に過ぎません。

ハッカーとはIT技術に精通している人を指し、ハッカーの中でもその技術を悪用する人をクラッカーと呼びます。 ハッカーという言葉に善悪はなく、正義のハッカーと呼ばれる人も存在するのです。

ハッカー=何かしらのIT技術に精通している人

ハッカーは何かしらのIT技術に精通している人の事を指します。 一口にIT技術といってもハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、データベースなど様々ですが、それらの何かしらに高いレベルで精通していればその人はハッカーだと言えるでしょう。

会社に勤めて自分の知識を仕事に活かしているハッカー、自分でシステムを組み上げて自動的にお金を稼ぐ仕組みを作ってダラダラ過ごすハッカー、ボランティア的にソフトウェアを作ったりセキュリティーホールを探すハッカー、愉快犯的にウイルスを作ってばら撒くハッカー、非合法にシステムに侵入して情報を盗んだり損害を与えたりするハッカーなど様々です。

ハッカーがどんな思想を持ち行動をするかはハッカーである事に関係ありません。 ジョージ・ホッツやケビン・ミトニックなどのハッカーや、アノニマスや中国サイバー軍などのハッカー集団などに共通して言えることはただ一つ、コンピュータ技術に精通しているということだけです。

ただハッカーという言葉には不正行為や悪事を働いているかのようなネガティブなイメージが付いてしまったため、善意のハッカーを「ホワイトハッカー」、悪意のハッカーを「ブラックハッカー」と分類して明示することがあります。

「ハッキング」はハッカーが行うエンジニアリングを指す言葉で、これも同じく行為の合法・違法は関係ありません。 しかしこの言葉にも悪いイメージが付いてしまっていますね。

ちなみにIT技術を使わずにデータやパスワードなどの情報を得ることを「ソーシャルハッキング」と言います。 ハッカーは時にIT技術を駆使するのではなく、内部の人間から情報を買ったり、運用の穴を突いて自ら会社などに侵入したり、さも関係者であることを装ってメールを送ったり、ゴミ袋からパスワードを探したりもするのです。PCモニタにパスワードの書いた付箋が貼っているならハッキングする必要なんてないですもんね。

という訳でハッカーは純粋にIT技術に精通している人を指す言葉でした。 それを悪用するいわゆる悪のハッカーは「クラッカー」と呼ばれます。 ブラックハッカーとほぼ同意ですが、どちらかと言えばクラッカーの方がよく使われる表現のように思います。

クラッカー=ハッカーとしての技術を悪用する人

クラッカーは犯罪的なハッカーのイメージそのままの人です。 高いIT技術を持ちますが、その技術を悪用して金銭を得たり知的好奇心を満たしたり優越感を得たりします。

不正アクセス、データの窃盗・破壊・改ざん、ウイルスの作成、リバースエンジニアリングなどその行動は様々です。 私の運用していたサイトもクラッカーにやられたことがあり、その時は同サーバに置いていたサイトのトップページがまとめて改ざんされました。

なおIT技術を使って悪事を働く人の中には大した能力を持ち合わせていない人もいます。 例えば他人が作ったソフトウェアやスクリプトをそのまま/繋ぎ合わせて使って悪事を働く人を「スクリプトキディ」と言います。

情報系の専門学校・大学を卒業した程度の知識があれば、ある程度高度な不正行為を働くことは可能です。 今日では様々なソフトウェア・情報・プログラムソースがネット上や書籍などに書かれているので、繋ぎ合わせて使うだけの知識があれば色々なことができます。 2012年に起こったPC遠隔操作事件の犯人などはスクリプトキディに分類されるでしょう。

また能力はないけれどまるで自分がハッカーであるかのように振る舞う人を「ワナビ」、コンピュータに興味を持って入門したての人を「ニュービー」と言います。

スクリプトキディ・ワナビ・ニュービーはハッカーほどの知識や技術を持ち合わせていないため、クラッカーでもありません。 しかし悪意を持っていればそれなりの脅威があります。 PC遠隔操作事件が良い例ですね。警察の誤認逮捕により人生が狂ってしまった人を何人も出してしまいました。

もっと言えばワナビやニュービー以下の知識しかなくても悪意を振りまくことは可能ですね。 会社にクレームを入れたり、SNSでストーカー行為や嫌がらせをしたり、根も葉もない話をばら撒くことができます。

高度なサイバー犯罪はクラッカーにしかできませんが、サイバー犯罪の件数だけみればクラッカー以外が起こしているものの方が遥かに多いです。 普通にネットをしていればクラッカーよりもクラッカー以外の悪意に触れる機会の方が多いでしょうね。

サイバー犯罪と言えばハッカー(クラッカー)のイメージでしたが、冷静に考えるとそうでもないのかもしれません。

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