童話「アリとキリギリス」のアリとキリギリスは本来の生態ではない

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童話「アリとキリギリス」のアリとキリギリス、実は本来の生態から見るとやっていることがおかしい事だらけです。 特にキリギリスは冬に向けて食料を貯め込む必要なんてありません。

誰もが知るこの童話、本来の生態を踏まえつつツッコんでみましょう。 まあ童話にツッコむのは野暮ですが、話のタネとして覚えておいてください。

童話「アリとキリギリス」

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まずは童話のあらすじから。

暑い夏頃、アリはせっせと働いて食料を貯めていましたがキリギリスはバイオリンを弾いて遊んでしました。 キリギリスはアリがあくせく働いているのをバカにしながら過ごしていましたが、やがて寒い冬が訪れエサが取れなくなってしまいます。 進退窮まったキリギリスはアリに食べ物を恵んで貰おうとしますが、アリは「自業自得だよ」と分け与えることなくキリギリスは飢えて死んでしまいます。

この物語の教訓は「その日暮らしで遊んで暮らすと先々困ることになるので、将来のことを考えて行動しましょう」というものです。 子どもを教育するのにうってつけのいい話ですね。

しかしキリギリスの生態から鑑みると、夏の間に蓄えていれば良いという問題ではないのです。 キリギリスは成虫になると2か月しか生きられないので、冬の蓄えなんて不要なのです。

アリとキリギリスの生態

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キリギリスがアリの忠告を聞くのは無意味

キリギリスは春になると卵から孵化して幼虫となり、脱皮を繰り返しながら成長します。 そして夏ごろに羽化して成虫となり、子孫を残すために繁殖活動を行います。

そして交尾すると土の中に産卵を行い、成虫となっておよそ2か月で死にます。 夏に羽化するのでキリギリスの寿命はおよそ10~11月頃までであり、本格的な冬の到来前に死んでしまうのです。 人工的に作った飼育環境ならもう少し長く生かすこともできますが、結局長生きはできず3か月ほどで老衰して死にます。

もし童話のキリギリスがせっせと食料の備蓄に励んでも、結局冬を迎えた頃には死んでしまうのです。 それどころか食料調達に精を出して繁殖活動が疎かになると、子孫を残せないまま死んでしまうかもしれません。 アリの忠告はキリギリスにとって無意味どころか、むしろ聞くと種の繁栄にマイナスに働く類のものなのです。

ちなみにですが、キリギリスは卵の状態で冬を越して春に孵化するのですが、環境によっては翌春に孵化せず翌々春~最大4年後の春まで卵が孵化しません。 卵で冬を越す昆虫は多いですが、孵化タイミングが年単位でラグが発生する昆虫は中々珍しいです。

アリも食料を蓄える習性を持つ訳ではない

アリは寿命が働きアリで1~2年、女王アリは10年以上生きるものもいます。 つまり成虫の状態で越冬する必要があるのですが、実は冬に向けて食料を備蓄する習性を持つアリは珍しいです。

昆虫は変温動物であるため、寒い冬にはまともに動くことができなくなります。 だからアリは夏の間によく食べて脂肪をため込み、冬はじっと動かずにエネルギーの消費を抑えて暖かくなるのを待ちます。 そうして春になると巣から出て活動を再開するのです。

つまり冬になってキリギリスに食料を乞われた時、アリは食料なんて持っていなかったのです。 とっくに全てお腹の中に入って脂肪になってしまっている訳です。

という訳で童話「アリとキリギリス」のアリとキリギリスは、本来の生態を鑑みるとおかしいという話でした。 もし童話を読んだお子さんが冬を迎えたキリギリスを哀れに思って持って帰ってきても、長生きさせることはできないので気を付けましょう。

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