古代エジプトでは犬や猫のミイラも作られていた

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エジプトといえば思いつくのはピラミッドにスフィンクス、そしてミイラです。 ミイラの包帯にグルグル巻きにされた姿はとても印象的ですよね。

そのミイラ、実は人だけじゃないんです。犬・猫・魚なんかもミイラにされていたんですよ。

そもそもミイラって何のために作ったの

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ミイラをよく見かけるのは映画やゲームの中が多いせいか、まるでモンスターであるかのような印象が大きいです。 まずはミイラとは何なのかをお話ししましょう。

ミイラの中身をざっくばらんと言ってしまえば、干からびた死体です。 通常の死体は骨を残してなくなりますが、砂漠地帯などの乾燥した場所では稀に自然に干からびることがあります。 それにインスピレーションを受けた古代エジプト人がこの現象は何ぞやと考え、色々あって神話になったと思われます。

エジプト神話によると、神々の王オシリスは死した後にミイラとして復活して冥界の王となりました。 これに倣ってエジプトの王は死後ミイラにされ、オシリスと融合して蘇るのに備えられました。 蘇った時に体がないと生活できないので、復活後の体としてミイラは作られたのです。 エジプト神話は歴史と空想が入り混じったものですが、少なくとも当時は史実のように考えられていました。

ミイラを人工的に作る方法をざっくばらんに言うと、魂が宿っている心臓以外の臓器を取り出し、死体をナトロンに浸して70日乾燥させて、包帯で巻いて完成です。取り出した臓器はカノプス壺に入れて保管します。

ミイラにされたのは王だけではありませんでした。神の化身とされていた動物もまたミイラにされたのです。 アヌビスの化身のイヌ、バステトの化身ネコをはじめ、様々な動物が大量にミイラとなりました。 中には魚のミイラなんてものもあります。魚のミイラ・・・ってそれただの干物じゃないか!

5億体作られたミイラの活用

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当初はミイラの作成には手間暇がかかったため、高い身分の人しかなれませんでした。 それが時代を下るに従ってミイラ作りの技術は洗練され、やがては庶民にも広がり、5億体ものミイラが作られたと言われています。

少しぐらいならありがたみがあるかもしれませんが、5億体ともなるとはっきり言って邪魔です。 それにいつまで経っても1体も蘇ってきません。復活する話もいい加減に嘘くさくなってきました。 そこでミイラは様々な用途に使われるようになりました。

そのいつまでも姿を残し続ける姿から連想されたのか、ミイラの粉末の飲めば不老長寿になると考えられ薬として珍重されたこともありました。しかしこんなもの飲んで体に悪くないはずがなく、体長を崩したり、悪くすると死んでしまうこともあったようです。

昔は絵具としても使われてたみたいですね。茶色っぽい「ミイラ色」があったのは割と有名な話です。

また上質なミイラは観光の客寄せに使われたり、部屋にインテリアとして飾られたりしました。 こんなものが部屋にあったら悪夢にうなされそうですが。

そして5億体もあれば当然粗悪なものや保存状態が悪いものも多いです。 それらは肥料として土に埋められました。ミイラを栄養にして育った食べ物は気持ち悪い気がしますが、これが自然なことなのかもしれません。

そうしてミイラは大分数を減らしました。もし現在にオシリスと融合して蘇ってきても、体がなくて生活できない人が沢山いそうですね。

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