動物よもやま話:動物の寿命はどうやって算出する?

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人間の寿命は (ほぼ)全ての人間の平均寿命から算出されたものです。 しかしそこらじゅうで生まれては死んでいく野生動物は高い精度の寿命は算出できません。

また動物の寿命は死亡率の高い幼少期のデータは切り捨てられています。 野生動物の寿命は、基本的に「野生下で大往生した個体ならこれぐらい生きる」というものだと考えてください。

マンボウに見る平均寿命算出の難しさ

なぜ人間のように平均寿命で出さないのかと言えば、寿命が実態とかけ離れた極端に短いものなってしまうからです。 マンボウの平均寿命を例に考えてみましょう。

マンボウは熱帯~温帯の海に広く生息する魚で、1度に3億個もの卵を産みます。 卵の数からしてこんな魚の平均寿命を高い精度で出せる訳がありませんね。 しかしそれでも挫けず平均寿命を出した場合を考えてみましょう。

卵の時から捕食されるのでどれだけ孵化にこぎ着けるかのデータはありませんが、仮に1/10000の3万匹が孵化したとしましょう。 3万匹が寿命データ算出の対象となりますが、このうち成魚まで成長できるのは数匹と言われています。 さてマンボウの寿命は何年でしょう?

マンボウの寿命を人間のように平均寿命で算出したら、もの凄く短命な魚になってしまいますよね。 マンボウは極端な例ですが、動物は幼少期の死亡率がとても高いです。 特に多産の動物は捕食者に食べられる機会が多く、運よく生き延びた個体の寿命と平均寿命が乖離してしまいます。

まとめ

野生動物で天寿を全うできるものはそれほど多くありません。 マンボウは極端な例ですが、何十何百と子を産んでも成体となって繁殖までたどり着けるのは2匹程度なんてのはありふれた話です。

なので野生動物の寿命は「天寿を全うできたら大体これぐらい」というアバウトなものと考えてください。 それに広い地域に生息しているものは地域や生活環境によって当然寿命も変わってくるので、あまり正確なものとは言えません。 一つの目安ぐらいに考えておきましょう。

また寿命には大きく分けて「野生下」と「飼育下」の2種類があります。 特に断りなく「寿命」と書かれている場合、それは野生下の寿命を指しています。 当然野生下の方が寿命が短く、飼育下とでは倍ぐらい寿命に開きが出る動物もいます。

野生下では栄養状態が悪く、採食に多くのエネルギーと時間を使い、常に捕食者・病気・ストレスなどの脅威に晒され、加齢や怪我が死につながります。
対して飼育下では栄養満点の食べ物を与えられ、特に脅威がある訳でもなく、悪い所があれば治療してもらえ、年老いても最後まで面倒を見て貰えます。
寿命が延びて当たり前ですよね。

飼育下では「10年ぐらいで死ぬと思ったら30年経ってもまだ生きていて飼い主が先に死にそう」なんてのはよくある話だったりします。 もし動物をペットとして飼う場合は寿命を調べるのはもちろんですが、野生下の寿命ではなく飼育下の寿命を調べましょうね。

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